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取材・レポート

Raphaスーパークロス野辺山&
野辺山グラベルチャレンジ2019

開催日程2019/11/23(土)〜2019/11/24(日)
開催地野辺山高原
WEB(スーパークロス) https://nobeyamacyclocross.cc/
WEB(グラベルチャレンジ)https://nobeyamacyclocross.cc/gravelchallenge/

シクロクロスとグラベルツーリング
八ヶ岳山麓でダートを満喫した2日間

野辺山高原・滝沢牧場を舞台に、11月23日(土)にRaphaスーパークロス野辺山が、翌24日には野辺山グラベルチャレンジ2019 が開催された。オフロードを走るシクロクロスレースと、フィールドに飛び出して走る流行のグラベルレース&ツーリング。全国から参加者を集めた今年で10周年の人気イベントです。

11月23日(土)に野辺山高原の滝沢牧場を舞台に開催されたのがRaphaスーパークロス野辺山。「シクロクロス」と呼ばれるオフロードレースで、世界自転車競技連合「UCI」公認の国際カテゴリーから一般参加まで、多くのレースが行われた。
シクロクロスとはオフロードで行われる自転車競技。オランダ、ベルギー、チェコなどヨーロッパで人気の冬場のオフロードレース。ロードレーサーのようなドロップハンドルのバイクながら、ブロックパターンのタイヤを装着したオフロード走行用の「シクロクロスバイク」で争うレース。競技時間は30分〜1時間程度と短いながらも、牧場の敷地内に設定されたコースには泥の深いセクション、スラローム、溝のジャンプ、フライオーバー、シケインと呼ばれる障害物など難しい区間が連続して現れるため、全開走行を強いられる短時間・高強度のレースだ。

そのため持久力や瞬発力とともに乗車テクニック、バイクコントロール能力の高さが問われる非常に難しいレース。Raphaスーパークロス野辺山は、滝沢牧場のすぐ近くに事務所を構えるサイクルアパレルブランド「Rapha(ラファ)ジャパン」の矢野大介さんが本場のレースを日本で再現しようと発案してスタート。レースの魅力と、レース全体のおしゃれな雰囲気、新しいカルチャーを感じさせる仕掛けで全国のサイクリストの人気となり、今年で開催10年目を迎えた。

参加者たちは自分の出場するレースを走って真剣に楽しみながらも、一緒のクラブの仲間などのレースを応援して楽しむ「オフロード運動会」的な雰囲気があることで人気。会場には多くのケータリングブースが登場し、クラフトビールやベルギーのフリット(ポテトフライ)、バーベキューグリルなど、いろいろな食も楽しめるのが魅力。泥にまみれるレースとなっても、その泥んこ具合を楽しんでしまうという雰囲気がある。キッズクラスも用意され、子どもたちのレースも盛況。高所の寒いはずの牧場が、ホットな雰囲気に包まれる大会です。

世界自転車競技連合「UCI」公認の国際カテゴリーでは世界各国からトップレーサーも招待されて出場。日本のトップレーサーたちとしのぎを削ります。優勝したのはチェコのエミル・ヘケレ選手。昨年も来日して出場しているへケレ選手はすっかり日本の、野辺山シクロクロスのファンだという。

野辺山グラベルチャレンジ

昨年まで2日間開催だったシクロクロスレースだが、10周年を機に2日目の日曜日が別企画のイベントとして生まれ変わった。初開催の「野辺山グラベルチャレンジ」には約300人がエントリー。美しい秋の八ヶ岳山麓のオフロードを走り、大自然のなかでのライドを楽しんだ。

本場アメリカ等で盛りあがっている「グラベルライド」を取り入れて始まったこの第1回大会。「グラベル」とは、未舗装路あるいは不整地を指し、レース会場となった滝沢牧場から飛び出して、八ヶ岳山麓に広がる高原一帯の林道や舗装路、農道や牧場内の作業道などを組み合わせた約50kmのルートを楽しんで走行した。

「グラベルライド」は今、北アメリカを中心に流行の最先端のライドとして人気に火がついている。ロードバイクに近いスタイルの自転車に、少し太めのオフロードをこなせるタイヤを装着し、砂利道や土道、簡易舗装の道など、少し荒れた不整地を走って楽しもうというもの。

約50kmのルートには上りあり、マウンテンバイクで走るようなシングルトラックあり、かつ1,900mまで上るようなヒルクライム区間ありと、初開催とはいえ難易度高めのコースが用意された。普段走れないような林道も、この日のために走行許可を取り、レース部門参加者のためにはタイム計測区間も用意され、その通算タイムで順位も争われた。優勝賞品は牧場のミルク缶をかたどった「グラウラー」。それに萌木の村 ブリュワリーRockのビールを一杯に注いでもらえるという権利つき!

朝のうちは小雨が降り、視界が効かなかったが、10時には雨が上がり、晴天となった。そして気温は11月の野辺山と思えないほどの暖かな一日に。参加者たちは半袖で走るシーンも。フィールドとなった高原一帯には、驚くほど豊かで感動的な大自然が広がっていた。

この日は高地の牧場内も特別に通行できるよう認められ、八ヶ岳や周辺の山並みを眺めながら、エイドステーションでは淹れたてのコーヒーのサービスも用意された。前日のレースに出場した人でこの日も走り、2日連続でイベントを満喫した人も多く、大好評のうちに第1回大会は幕を閉じた。日本でもグラベルブームが徐々に来ており、シクロクロスブームの火付け役となった野辺山が、再びグラベルライドにも火をつけることになるのか、今後の展開に期待が高まっている。

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